僕は父親に叱られた事がない。仕事一点張りだが、家庭を顧みないということはなかった。厳粛でもある。
そんな父が狂ったように物を壊し、母をいたぶったのは、母と父の従兄弟の肉体関係を知った時からだった。
母と離縁することはなく、見知らぬ女と男を定期的に連れて帰ることがあり、子供の僕でも、それが母に対する父の憎悪であると解った。
夜中。広い屋敷の廊下をわたりトイレに行った事がある。
父母の寝室から男の声と女の声。そして、母のすすり泣く声と母を罵倒する父の声。 「ほら、見てみろ。早季子。ああやって、智一にされたんだろう。ほら、よく見ろっ・・・ふん、好きものが・・・・」 「許してください。貴方・・・貴方が、私をかまってくれないから、智一さんに迷惑をおかけして・・・・」 「なんだ、お前、智一をかばうのかっ・・・」
バシッ・・・・・
「ああ・・ゆるして・・・」
「こっちに来い。・・・ほら、こいつの棹を舐めてみろ。・・・・舐めるんだーーー・・・・。早くっ・・・」 「嫌です。毎回毎回、私を虐めて楽しいですか・・・・」 「なんだ、その眼は。・・・もういい。おい、君たち、俺の棹を舐めてくれ。」
僕は鍵穴からそっと覗いた。
父はベットの上で大の字になり、若い男と女は二人して父の陰茎を舐めている。
父が男と女に金をつかませてしていることなのだろう。 そんな事が、いつまで続いたのか、記憶は定かではない。
母はそれにより、精神状態を悪くし体力も弱っていた頃だった。 母が急にいなくなったのだ。
僕は、父が母を追い出したのかと思い、父に問いただした。 高校1年の頃だった。
「生意気な。・・・・」
バシッ・・・・ 生まれて初めて父にぶたれたのだ。
「母さんは、智一おじさんに連れられて、何処かへ行ったんだ。父さんの所為じゃないぞっ・・・大丈夫だ。父さんがいるんだから。」
父は、かなり興奮しながら、ドアを足で蹴り開けた。 ドアの蝶番が外れた。
僕は、父にぶたれた驚きと、父に怒られた嬉しさとで、蹲りながらも、射精していた。 父にぶたれた喜びが、僕には嬉しかったのだ。 興奮し、逸る思いは父に向けていた。嫌いな父だったが、僕は父に恋焦がれる事になっていくのだった。
わがままを言い、父の心を逆なでする事で父にぶたれる。
そのたびに僕は快感と快楽を一緒に得られ、射精する。
あまりにも、わがままを言ったりするので、父は不信がっていたが、父子家庭の実情も考慮すると悟られる事もなかった。 父にぶたれて叱られたい。父にぶたれて快感と快楽を得たい。 それだけだった。
しかし、父にわがままを言う僕の理由が父にわかってしまったのだ。 僕が風呂場で身体を洗っていた時だ。 すでに、僕は高校2年になっていた。
上がり湯をたっぷりと身体にかけていたのだ。
いきなり、父が入ってきた。 「おい。大樹。お前と言う奴は。どういうつもりだ。」 「・・・なに。父さん。何のこと。」 「お前、母さんと会ってるんだってな。それに、お前、大學は実家から離れていれば何処でもいいと、担任と母さんに言ったそうだな。」
バシッ・・・・ 「この、お前と言う奴は」
足で僕のわき腹を蹴り、ひっくり返り仰向けになった僕に馬乗りになり、ビンタをあびせる。 僕は、切ない顔をし苦悶に耐えながらも、眼が空ろになっていくのが解る。 そして、馬乗りになる父の顔面で僕は耐え切れなくなり、大量の精液を飛び出させた。 父の腕、顔、シャツにいくつもの点となっていた。
「えっ・・・・どうした。大樹・・・なんで、こうなるんだ・・・」 僕は急に恥ずかしさと、困惑の中で父に裸のまま抱きついた。
「とうさ〜ん。・・・ごめんなさい。ごめんな・・・父さん。好きだよ.父さん。大好きなんだ。父さんが。父さんにぶたれた事なんかないから、母さんが・・・出て行ってから・・・初めて・・・ぶたれて・・・嬉しかったんだ。父さんが連れてくる男の人と女の人の遊びを見てから、いつも父さんのを舐めたくて、・・それが叶わないから、・・・ぶたれた時以来、自然と出ちゃうんだ。・・父さんに本当は優しく抱かれていたいんだよ。・・・・・・・」
思いの全部を父に向けた。
父は、立ち上がり、言った。
「母さんは本当は間違っていなかった。父さんが裏切れても仕方なくらい、母さんをかばってあげなかった。自分の所為なのに、母さんを・・・。そんな自分が嫌で、母さんをいじめ抜いた。母さんがいなくなって、イライラして、お前にあたるようになった。解ってるんだ。父さんが自分のストレスをお前に向けていることを。すまなかった。大樹。」 父はそう言うと、風呂場のドアを閉め僕に言った。
「今夜は父さんと一緒に寝るか・・・」 「・・・・・・と、うさん。・・・うん。寝る。」
「父さんも風呂に入るから、お湯全部使うなよ。後で、来なさい。」 脱衣所のドアが閉まる音がした。
僕はお湯の中に顔を埋めながら、泣いた。 「あり、がとう。とうさん。」
父は寝室で、蒲団をかけてあお向けになり目を閉じていた。
僕がドアを開ける音に、眼も開けずにおいでおいでと手で呼び寄せた。
僕は父の脇に滑り込むようにして、かけ蒲団の中に入る。 「大樹・・・」 「なに.父さん。」 「父さん、裸だぞ。」 「えっ・・・」 「蒲団をはねて、見てみろ・・遠慮するな。お前に、何もしてあげられなかったんだ。父親の愛情が必要なのに。」
「いいの。見ても。・・・見るだけでいいんだ。僕。父さんの近くで見たかった。」
掛け布団を父の胸元からそっと、めくってみる。
父の厚い胸板には、僕には無い雄雄しい胸毛が。 更にめくっていくと、胸毛から腹にかけても毛が生え続いている。
かけ蒲団をそれ以上めくるのを躊躇していると、父は自ら布団を足で跳ね除けたのだ。 そこには、父の男らしい姿があった。
「いいぞ。大樹。父さん、母さんがいる時連れてきた男と、男同士でしたこともあるんだ。初めての経験だったが、女とは違う格別の味だった。お前の、好きにしていいぞ。」
「とうさん。・・僕、知ってるよ。父さんがあの男の人を羽交い絞めにして、腰を動かしてたのを。見ていた。あんなふうに、父さんは何で、僕を可愛がってくれないのかって・・・」
「でも、父さん。怖いんだ。本当は。・・・」 「なにが。」 「だって、お前と父さんは親子だろ。こんな事はしては・・・」
「・・・・そうだよ。でもね。僕、父さんに抱かれて、いたぶられながら、あの、お兄さんみたいにお父さんのをいれて欲しいんだ。好きなんだ、父さんが・・・。父さんに、親子以上の愛情を受けたいんだ。」 「いいのか。本当に。お前は父さんの息子だぞ。このことが、これで終わらないかもしれない。」 「うん。父さん・・・・・」
僕はそういいながら、胸から腹、陰毛からすね毛まで続く体毛を手でなぞった。 父は僕の手の愛撫でいち早く反応した。 父の陰茎が蛇の鎌首が立ち上がるように直立した。
それは、僕の憧れのシンボル。父の陰茎。すでに、鈴口からは、透明の先走りが浮き出ていた。何よりも素晴らしいのは、棹全体の色と鋼が埋め込まれてでもいるかのような太い血管が浮き出ている。
「大樹。いいぞ。触っても。お前が父さんに抱かれる覚悟なら・・・父さん、お前を抱く。」 僕は父の言葉に促されて、触ってみる。 触れると、父の陰茎がピクピクッと、反応する。 それは、感じた事もない感触だった。大人の、それも父親の陰茎を手にした僕だけの特権なのか。
「か・たい。硬い」
父の陰茎は僕のつぶやきで一際大きさが増した。
僕は、あの男のように、父の亀頭を口に含もうとして、父に無言のまま眼で訴えた。
父は、それまでに見たことの無い笑顔で僕を見ていた。 続く
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