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小説 『おわら 風の盆』
作:企てる造 作品44 小説『おわら 風の盆』第一弦「思い」 投稿日:2003/09/21(Sun) 15:24
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小説『おわら 風の盆』
第一弦 「思い」


重く見えない荷物を私は、あの頃どうやって、背負っていたのだろうか。今では、些細な事も何処かへ、捨ててくる事ができるというのに。



やるせなく、空しく寂しく、悲しく、郷愁にも思える、おわら、風の盆の二胡の奏でる調べを私が初めて聞いたのは12歳の時で富山、越中八尾町に母と弟で住む事になった時だった。


八尾町に住んでいるT大学の助教授である45歳の人と37歳になる母が再婚の為、私と弟を引き連れて、移り住んだのだ。



中学1年の夏休み中に東京を離れ、私は見知らぬ町の風景の駅に母と私と弟とで降り立った。古い町並で綺麗な山間の小さな町だった。 
駅には、淡いグレイの麻のスーツに白い開襟シャツを着た、体格の良い男がブルーバードの車に寄りかかり、迎えに来ていた。  
少し日焼けした顔で、笑うと白い歯が見えた。品があり、頼りがいのある紳士に見えた。          



私の義父になる人だった。      
見知らぬ町と義父に不安を感じてはいたが、母が父と離婚して私と弟を苦労して育ててくれていたので、子供心にも母の幸せを願い、明るく振舞い挨拶をした。まだ、6歳にしかならない弟は義父となる人に抱えられ、頬擦りされて無邪気にお髭が痛〜いと笑っていた。
私は弟を見て、少し安堵していた。



義父は車のドアを開け、何か言っていた。
気が付かなかったが、後部座席には義父の長男である、戸籍上の兄にあたる、高校生の馨一が乗っていた。
馨一は面倒くさそうに車から降り、義父の紹介を終え無言のまま頭を軽く下げただけで、車に戻った。


「ごめんよ。お兄ちゃん。ご機嫌斜めみたいで。それより、康太君と裕太君、お腹が空いてないかい。美味しい物を用意してあるからね。」
と、義父の馨乍が言った。


私は、子供心にも義父の一言で救われた気持ちになっていた。
狭い車中の後部座席に私と裕太と馨一兄さんが座り、助手席に母が座って車は発車した。

馨一兄さんが私達家族を無視しているのが解かった。
私は見知らぬ町や義父よりも、馨一兄さんに不安を覚え始めていた。



町の盆踊りのお祭りは1週間後だと言う事や、祭りの胡弓の奏でを聞きに町の人口の10倍の観光客達が来る事や、義父の家が旧家で庭も広く、旅館を経営している事等々、義父が運転をしながら話した。


母と義父との出会いは人母の姉の夫。大学の教授をしている伯父の紹介での見合いだった。

義父の前妻は姑との折り合いが悪く、離婚した話は伯父の話で、それとなく知っていた。私は、旅館の女将をする母の大変さをこの時はまだ、解からなかった。




車は、古い門の前で停まった。
門の前には出迎えの使用人たちが頭を垂れ、立っていた。
義父は使用人たちに、私達を紹介した。
使用人の一人一人が自己紹介を始めた。


普段は、家の者は裏の門、使用人に到っては裏木戸から出入りしなくてはいけないとの事だった。
今日は特別の日だと義父がにこやかに言う。


門をくぐり、宿泊客陽の玄関の毛氈には姑、戸籍上の祖母にあたる綴子と小姑、叔母の美佐江が座り、後には仲居連中がずらりと並んでいた。
母もこれには困惑したような顔付きで、挨拶を述べていたのを覚えている。
義父が後継したくないので小姑の美佐江が結婚もせず、女将を任せられていたのだった。


義父の啓作は大学の助教授でもあったが、おわら 風の盆の二胡の奏者でもあり、胡弓の後継に馨一に教えてもいた。

母と義父の結婚式はごく、内々にと言う事で、旅館の広間の一室でとり行われた。私の伯父と伯母も東京からすでに駆けつけていて私と弟に喜びを隠しえない表情で言った。

「康太と裕太はいいなあ。新しいお父さんとお兄ちゃん。おばあちゃんとおばさんも出来て。」


不安な心は伯父伯母の言葉でより拡張されていた。
式も滞りなく終わり、私と弟は別々の部屋に寝かされた。
勉強机も家具も全部、真新しい物だった。
夜服ダンスには9月から行く私立の中学校の夏用と冬用の制服が吊るされていた。





弟の部屋は私の隣だが、一人で眠れないと部屋に来て、私の横に身体を滑りこませた。母を呼び、泣いていたがいつしか深い眠りに付いていた。
私は、深夜に目が覚めた。急にトイレに行きたくなったのだ。
来たばかりで広い屋敷の方向さえわからず、薄暗い廊下をおどおどと歩いていた。トイレが何処だかわからず、真っ直ぐに延びた廊下を曲がったりもしたが見当がつかない。


やっと、トイレのドアを見つけ、用を足しドアを開けると、斜め向かいの襖をそっと開ける者がいた。薄暗く、誰だかも解からない。
私は部屋に入り込んだ者を確認してからそっと、忍び寄った。
忍び寄ると襖が一人入り込めるくらいに開いている。
中を覗くと、更に襖を少し開いて、中の様子を伺っているパジャマを着た馨一の後姿だった。
襖を少し開き、眼を凝らして何かを見ているようだった。


良く見ると、パジャマと下着を膝まで降し、右手で陰茎を握り、自慰にふけっていたのだった。襖の向こうには枕元の薄暗いランプに照らされた、裸の母にのしかかる義父の姿が見えた。
私はすでに、自慰を経験していたので馨一の行為がなんであるか、直ぐ理解できたのだ。

襖の向こうから、母のやるせない声と義父のうわずった激しい声の響きが耳に届いてきた。義父は布団の上に急に仁王立ちになり、母を膝ま着かせた。
義父は陰茎を片手に握り、母の頭を左手で掴み口を陰茎に寄せた。
義父の陰茎は薄暗い中でも黒味を帯び、てかてかとランプの灯りで光っていた。
母は、いとおしそうに義父の陰茎を掬うように舐め上げると、亀頭の先に舌を這わせた。
義父はくごむる酔うな声をあげ、腰を母の口中に打ちつけ始めた。


母の唾液が義父の陰茎の黒さをより黒々とさせ、濡らしていた。
かなり太く、長い義父の陰茎を遠目でも確認できた。
他人の勃起した陰茎を初めて見た私は驚きと衝撃が脳裏をかすめた。
私は母があんなことをしてることよりも、義父の優しい顔付きとは裏腹な隠された大人の世界を垣間見た事のほうが衝撃だった。


義父の厚い胸や胸から足までびっしりと生えた体毛にいつしか、勃起していた。
義父は母の頭を股間に押さえ、腰を廻し始めた。
母の苦しそうな声と義父のくぐもるような声が部屋中に響く。

繋一は後に人の気配を感じたのか、振り向いた。
そして、廊下に立つ私に手招きをして、ジェスチャー気味にそこを締めろと言う。私は、義父の裸を見たくて、躊躇することなく足を座敷に滑り込ませた。
馨一は後ろに居ろとばかりに私を静止させた。自慰をする、馨一の後ろから襖の隙間を覗くと母と義父が横になり、お互いの性器を愛撫し始めていた。
自慰をする馨一の陰茎は義父とは違い、薄赤く亀頭をかなり濡ら、先走りが泡立っていた。


義父は母の片足首を片手で持ち上げ、顔を埋めていた。
母は、うわずった歓喜の声をあげながらも、義父の陰茎をむさぼっていた。義父の陰茎は先程よりも、サイズを変えて母の口中に飲み込まれているようだった。義父が母の性器を舐める音と舌使いが、私を興奮させた。笠が開いたように大きく張り詰めたような亀頭と太い血管の青筋を立てた陰茎。私は義父の自分にはない大人の男、雄々しい姿に見とれていた。



馨一は手の動きも激しくなり、急に私の方に向いた。
私の両手を掴み、水を掬うようにさせた。
私の手のひらに、馨一の精液が溢れんばかりに放出されていた。
すると、馨一は何事もないように、静かに襖を開け、出ていったのだ。私は、仕方なくパジャマの裾で拭った。



義父と母の行為をまだ見ていたく、出ていく気がしない私は繋一と同じように下着ごとパジャマを降ろし、幼いペニスを握り、見ていた。暫くすると、69の形から義父は母の両足を掴み、肩に乗せ母の性器の中心に黒々とした陰茎をあてがい始めた。
母を可愛がるあまりに焦らすような、義父。亀頭を少し当てて、中々挿入しようとしない。
母の「来て下さい」という小声。
義父はそれでも母を焦らし、指を一本、二本、三本と母の性器に差し込んではぐるぐる廻している。

その度に母は、身体を仰け反り、義父に懇願する。

「お願いです。焦らさないで〜」

義父はうむと頷くと、差し込んでいた指を自分の舌で舐め、母の味を楽しんでいる。
義父は最後の一本を母の口中に差し込み、焦らしていた。


義父はいやいやする母を耳元で囁いた。

「入るぞ・・」

母の身体を折り曲げ、義父が母にのしかかり、左手で陰茎を掴み、母の濡れて開いた花に探るように舌かと思うと、一気に腰をぐ〜いんと落とし、ゆっくりと腰を打ち着け始めた。
母の濡れた花園に黒々とした義理父の陰茎が挿入され、出入りしている。幾度かの打ち着けで終わることなく、腰を右左に交互に廻したり、激しく打ち付けたり、スローに打ち付けたりと、私は目がくらくらしそうな気配の中、義父の腰の動きと同じように陰茎を動かしていたのだった.


母のよがる声と、義父の雄々しい声が子供心にも絶頂を迎える時がきた事がわかった。

「いいか。いのか。いいぞ。ああ、いい。いきそうだ。」

「来て〜来て〜。私も・・・・ああ〜ん・・・あ、な、た〜・・・」

「いくぞ。・・い、いくっ・・・・・オオ〜ウッウッウ〜・・・・」

義父は母の身体の上に倒れこむように息を荒げている。
母は身体を折り曲がらせられたまま、義父の背中に手を廻し、しがみついている。
身体が折り曲がらせられたままなので、母の性器に義父の陰茎がさしこまれたまま見えた。
義父の陰茎が母の中でまだ、ビクンビクンと唸り続いてるのが解かる。その度に母の開いた花びらがヒクヒクと震えるのがわかった。

義父が暫く立つと、母の中から腰を浮かし、そっと陰茎を引き抜き始
めた。黒々とした陰茎が少しずつ引き抜かれると、それと同時に義父の出した精液がだらだらと一緒に垂れ出てきた。
薄暗いランプの灯りで、義父の精液が白く輝いていた。
義父は陰茎を引き抜いた後、母の性器に口を当て、チュウチュウと吸う。自分の出した精液を吸い出し飲んでいたのだった。零れ落ちた精液も舌先で掬い、母の口に持って行き、母はそれを舌で受けて味合い、義父は母と激しくヂィープキッスをした。


私はそっと部屋を出た。心臓がばくばくと鼓動が唸らせながら、部屋には帰らず、もう一度トイレに入った。
そして、襖の隙間近くに脱ぎ捨てられた義父の下着を持ち、義父の香りを嗅ぎながら、義父の下着に熱い精液を出した。



トイレの開いた窓から、深夜にもかかわらず、何処か遠くから母の結婚式で聞かされた、おわら風の盆の胡弓の奏でる音が聞こえて来た。



あの頃、義父に寄せる思いと、あの美しい何処か、甘く、切なく、やるせない、寂しく、悲しい、郷愁にも似た胡弓の調べが支えとなっていたのだった。

これから、母と弟と私。祖母と叔母、馨一に虐められる事などもわからずに。




おわら 風の盆  第二弦 父子の繋がり

後ほど投稿します。(いつになるやらですが)






[716へのレス] 無題 投稿者:夏目 投稿日:9/22-00:37
否や、てる造様、香りの次は哀愁たっぷりの風の盆歌をテーマにのせ男女の営み、それに幼い子らの感情を切々と・・久しく聞いていない石川さゆりの「風の盆歌」CDをの左手でレコーダーに、右手はいつもの場所に・・



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